最速の鳴き声 fastest call

最速の鳴きが天鳳や一口馬主について勝手に書いてます

たった1度のダービーライブ観戦

まもなく日本ダービーですね。

 

柴田政人 「世界中のホースマンに第60回の日本ダービーを勝った柴田政人ですと伝えたい」 

 

大西直宏 「1番人気はいらない1着がほしい」

 

ミルコ・デムーロ「5回イタリアのダービーを勝つよりも日本ダービーを1回勝つほうがうれしい」

 

武豊 「僕は帰ってきました!」

 

福永祐一 「福永家の悲願でしたから」

 

記憶に残る言葉は、ダービーが1番多い気がする。それは誰もが1度は勝ちたいと心から願うからなのか。

 

私も細々と一口馬主をしているがいつかはダービーを獲る馬に出資してみたいと夢みるものだ。

 

そー言えば、住んでる地域や仕事の関係上、中々行けないのだがたった1度だけ、東京まで新幹線に乗って日本ダービーを見に行った。今のところ東京競馬場に行ったのもその1回だけである。

 


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23歳の時だった。一緒に新幹線に乗って行ったのは最近、競馬を初めたばかりの友達となので

「任せとけよ、連れて行ってやるよ。日本ダービーに。」

と言わんばかりに私が仕切る形でダービー観戦ツアーは遂行された。

 

東京競馬場に行くのも初めてだったし、せっかく東京に行くのだからと前日入りしてゆりかもめに乗ってフジテレビに遊びに行った。

 

当時は後に好きな女性アナウンサー部門で殿堂入りする、アヤパンこと高島彩アナに年賀状を局に送るほどの推しだったw

 

なので一時、焼き肉デートがフライデーされ噂となった元騎手でバヌーシーの馬も預かる現調教師のあの人が憎らして憎らしくてものすごーく羨ましかったwww

 

ちなみにその時期、ほしのあき松尾翠アナもファンだった。なぜ自分の推しが騎手に奪われるのか?奪うのは私の馬券金だけにしてくれよ……

 

 

何の話やったか??

 

・・・・そうそう、東京に来たんだ。

 

話を戻すとそのあと、東京で就職した大学の友達と合流して飲み行ったりして東京の一夜を満喫していた。

 

そこから東京競馬場近くのホテルに宿泊し明日は早朝から競馬場で

「明日はいい席とって競馬じゃ~」の流れだったのだが翌朝、事件が起きる。

 

5時には起床して、いざ東京競馬場の入り口に向うと早くもたくさんの行列ができている。さすがに東京だ。人が多い。まあそれは何となくそうかなと想定していたが、プラカードを持ったJRAの職員が

 

「前売り入場券をお持ちでない方は○時まで入場できません」

とあった。

 

現在はわからないし、ちょっと記憶があいまいなのだがとにかく当時は混雑防止のために前売り入場券的なものを前もって購入してないと早々に入場して席を確保は不可能だということだ。

 

えっ??前売り入場券?なんじゃそら??

 

私は阪神京都競馬場にしか行ったことなく天皇賞春、宝塚記念菊花賞でも前売り入場券など必要なかったのでそんなこと全く知らなかった。

 

「最速の鳴き~頼むぜ~何で知らんねん!いつ入れんだよ~」

 

一緒にきた友達は私の大ミスに呆れている。

 

任せとけよと言った手前、私も恥ずかしすぎる。ちょうど通りかかった馬運車があれば乗って帰りたい気分だった。

 

パニックった大勢の開門を待つ行列を前にし私はただ立ちすくすしかなかった。

 

このまま何時間も待つのか?もしかして入れないのか?

 

おそらく真っ青な顔して困り果てていたのだろう。

 

しかし、ここで思いがけないことが・・

 

私の目の前に行列からこぼれ出てくるようにペットボトルのフタがコロコロ転がってきた。

 

ただ私は何も考えずに拾った。

 

すると、

 

落とし主が

 

「あっ、ありがとうございます!」

 

と言ってきたので反射的にフタを渡した。

 

そして列に並ぶわけでもなくただ行列の前に立ちすくし青ざめてた顔してるのに気がついたのかはわからないが

 

「どうかしましたか?」と聞いてきたので

 

「あ、いや、関西から初めて東京競馬場に来たのですが前売り入場券を持ってなくて・・」

 

とっさに答えた。すると、

 

「あー前売りはダービーとか有馬記念の大レースだけですからね。早い人は何週間も前から並んでるですよ。」

 

「そうですか…まぁ知らなかった僕が悪いんですけど…」

 

「………ちょうど一緒に来るはずだった友達が来れなくなって入場券が余ってます。ただ割り込みはルール違反で他の人の目もあるので、私たちの知り合いのフリをして一緒に並ぶってことでいいなら……入場券差し上げますよ。」

 

「本当ですか??ぜひお願いします。」

 

奇跡的な申し出に 私はすぐ頷いた。

 

 何日も前から並んだ経験がある人からすればマジギレ案件だろう。結果、割り込んだってのは事実だが、反省もしているので大目に見てほしい。友達も連れてきてる手前そうするしかなかった。

 

しかし、ズルとはいえ、競馬場で見知らぬ人と会話することなど今までほぼなかったが親切な人の優しさのおかげで私たちは行列に入ることができた。

 

話を聞くと私たちがずっとつっ立ってるからちょっと気になったようだった。その人は30代後半くらいの友達と来ていてで今の私と同じくらいだった。

 

それにしても、行く人は共感してくれると思うが、男2人が少々困ってたとしても競馬場は、誰かが話かけてくれることなんてまずない。

 

 最終レース後、かなりの高額配当(百万円以上)を当てたが払い戻しの仕方がわからずどうしていいかわからずモジモジしている女性がごくまれにいると聞いたことがあるのでその場合だけ私は話かけると決めていた(←クズ思想w)それ以外は基本、話かけない。

 

見ず知らずの私たちに話かけ前売り券を譲ってくれるなんてと本当に驚いた。

 

そして、思わぬ出来事、まさに急仕上げで合流することになった4人。だが エブリワン 競馬好き、ダービーを楽しみにしていた人たち。お互いの身の上話、競馬歴、好きな馬、ダービーの予想などなど

 

たぶん3時間くらいだったと思うが ブラックな雰囲気になることもなくが話題は入場まで尽きることはなかった。無事に入場ができゴール前の特等席を確保することができた。

 

譲ってくれた人たちと確保した席がたまたま近かったので時々目が合うと会釈したり、アクエリアスも差し入れしてくれた。

 

東京競馬は左回りだし、近くには馬場入りの際、絶対に「かぁーつはーる!かぁーつはーる!」と叫ぶ関西にはあまりいない!??タイプのファンがいたりして雰囲気も京都や阪神とは違うなー思った。とにかく楽しいダービーデーを過ごすことができた。

 

感謝してもしきれないが、その時連絡先を交換できず今その人はどうしてるかわからない。

 

けど競馬がすげぇ好きそうだったし、あの時の息子が同じく無敗の皐月賞馬としてダービーに挑むんだから競馬場には行けずとも今年もどこかでダービーを見てるだろうなぁ。

 

そう。その時のダービー馬が

 

ディープインパクト

 

こりゃ、三冠だなwwと早々に声が上がるほど強かったし、だからこそ見に行こうと思った。それが縁となって人の優しさに触れられた。

 

奇しくもあの時、転がってきたペットボトルのフタは枠色と同じ赤だった。もしかしてこの貴重な体験はディープからのプレゼントだったのでは??彼ならできるのかも!?と勝手気ままな解釈をしている。

 

 


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最速の鳴き書之